】公的年金シミュレーター!?年金の「見える化」Webサイトがオープンしました<コンサルタント 津田千尋>

令和4年4月25日より試験運用が開始された、公的年金シミュレーターをご存じですか?スマートフォンやタブレットで、年金額を試算できるツールとして「公的年金シミュレーター」がリリースされました。

 個人の過去の加入記録に基づく、より詳細な年金の見込額の試算を希望する場合は、従来の「ねんきんネット」の活用を日本年金機構は勧めていますが、より簡単に、スマホを使って年金額を試算するためのツールとして、今回の公的年金シミュレーターが開発されたという背景があります。

では、公的年金シミュレータの特徴をみていきましょう。

■「ねんきん定期便」の二次元コード※を、スマートフォンやタブレットで読み込むだけで利用できます。

■入力や条件設定などの操作が簡単でスムーズです。

■グラフで受給額を表示しながら試算できます。

■ID・パスワードが不要です。

■データ管理も安心・安全です。個人情報は記録されず、画面を閉じるとデータを自動消去されます。

※令和4年4月以降に発行されたねんきん定期便の二次元コードで利用できます。

STEP-1 アクセス方法 ねんきん定期便の二次元コードを読み込みます。

ねんきん定期便がなくても、働き方・暮らし方を入力することで試算が可能です。

STEP-2 生年月日を入力します。

生年月日というと、個人情報を入力することになるので、少し心配になりますが、個人情報は記録されず、画面を閉じることで自動消去されてしまうので、安心です。ねんきん定期便から二次元コードの読込を行わなかった場合は、このあとのページで、働き方・暮らし方を入力するページが開きますので、期間(何歳から何歳まで)、年収、などを入力してから、「試算する」ボタンをクリックします。

STEP-3 年金見込額の表示

上記はPC画面上で、働き方・暮らし方を入力してみた結果です。入力結果から、画面上部に、年金見込み受給額のグラフが表示されます。このグラフは、画面下部のスライドバーと連動しており、後述の3つのスライドバーを動かすことにより、試算条件を変更することができ、年金見込み受給額が変更になります。画面下部には、今後の年収、就労完了年齢、受給開始年齢がそれぞれスライドバーになっていますので、左右に操作することによって、年金の受け取り開始時期を変更してみたりシミュレーションすることができます。

 気になる今後は?というと、現在の試験運用期間から、本格実施まで、もう少し時間がかかるようです。

公的年金シミュレーターは利用者の声やニーズを反映し、利用者満足度を向上させることを目的として、試験運用期間を設けました。今後、利用者視点による改善を行い、本格実施を開始します。税等の概算の一例は本格実施の際に公開する予定です。というようなQ&Aも出ていることから、年金受給開始時の税等の支払額の概算金額の算出機能など、拡張機能のイメージも厚生労働省のホームページで発表されています。

公的年金シミュレータに関する留意点として、下記の点も発表されておりますので、あくまで簡易試算ツールとしての利用を念頭に、ご利用ください。

 公的年金シミュレータは、将来受給可能な年金額を、簡易に試算することを目的としており、実際の年金額とは必ずしも一致しません。試算条件によって年金額が過大・過小に算出される場合があります。より正確な年金見込み額の確認をする場合には日本年金機構の「ねんきんネット」をご利用ください。

年金関連ニュース

【令和4年4月より】国民年金手帳が廃止。年金手帳から基礎年金番号通知書へ切り替えられます。

関連ブログ

2022年10月の厚生年金の適用拡大について<社会保険労務士 石川宗一郎>

厚生労働省からも、本格的にPRが始まりました。下記の特設サイトがオープンし、厚生年金の適用拡大への対応、待ったなし、になっております。今回は、この厚生年金の適用拡大について取り上げ、2022年10月…

続きを読む

経営に与える影響が大きい年金制度の改正

短時間労働者の社会保険適用拡大、年金の受給開始年齢を75歳まで引き上げる等の年金改革法が令和2年5月29日に成立しました。働く高齢者の年金を減りにくくするなどして高齢者の就労を後押しするほか、パート…

続きを読む

あれ?ねんきん定期便のレイアウトが変更されている!ねんきん定期便の変更からみる、高齢者雇用と年金制度改革

1.平成31年度送付分の「ねんきん定期便」のレイアウトが一部変更に  日本年金機構のホームページによると、平成31年度送付分(平成31年4月以降)のレイアウトが一部変更になっています。下記は、…

続きを読む

お問い合わせは、下記よりお願いいたします。

弊社の記事の無断転載を禁じます。なお、記事内容は掲載日施行の法律・情報に基づいております。本ウェブサイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。社会保険労務士法人エフピオ/株式会社エフピオは本ウェブサイトの利用ならびに閲覧によって生じたいかなる損害にも責任を負いかねます。

タグ:
年金 ,
   

関連記事

2024.04.01
東京商工リサーチ掲載記事
『社員研修の目的と企画・導入』について<社会保険労務士 廣瀬潤>
2024.03.04
東京商工リサーチ掲載記事
週10時間勤務で、雇用保険加入へ ~ダブルワーク時の労災保険、雇用保険、社会保険の取り扱いはどうなるの?~<社会保険労務士 浅山雅人>
2024.02.28
東京商工リサーチ掲載記事
マイナンバーカードの健康保険証 利用されてますか?<社会保険労務士 伊藤美由起>
2024.02.05
東京商工リサーチ掲載記事
労災で休業が発生した場合の休業補償のイロハ ~知っておくべき、基礎知識~ <社会保険労務士 小野田春奈>
2024.01.22
東京商工リサーチ掲載記事
雇用保険=失業保険にあらず。人材育成に活用を!<社会保険労務士 松井 碧城>
2023.12.25
東京商工リサーチ掲載記事
建設業だったら協定さえ結んでおけば、月45時間超えて残業させても大丈夫なんですよね?<コンサルタント 松岡藍>
2023.11.27
東京商工リサーチ掲載記事
「会社分割」における労働契約の承継<社会保険労務士 小山健二>
2023.11.20
東京商工リサーチ掲載記事
社長の金庫に入れられた就業規則は有効か?<社会保険労務士 石川 宗一郎>
2023.10.30
東京商工リサーチ掲載記事
年収の壁・支援強化パッケージの落とし穴~この2年間、年収130万円超えても被扶養者になれる?は誤解~<社会保険労務士 浅山雅人>
2023.10.16
東京商工リサーチ掲載記事
年収の壁(106万円の壁、130万円の壁)を改めて考えてみました<社会保険労務士 廣瀬潤>