】~従業員に損害賠償請求をする際の注意点②~<よつば総合法律事務所 弁護士 村岡 つばさ>

よつば総合法律事務所 弁護士の村岡つばさです。

前回は、従業員に損害賠償請求をする際の、行為類型ごとの注意点をお話しましたが、今回は、全ての行為類型に共通する注意点をお話させていただきます。

①労働者からカウンターを受けるリスク

一番注意する必要があるのが、この「カウンターを受けるリスク」です。

最もよくあるのが残業代請求です。会社が損害賠償請求したものの、労働者から残業代請求をされ、結局、会社が払う金額の方が圧倒的に多かった、というケースもあります。

先月の記事で記載した通り、会社→労働者への損害賠償請求は、中々ハードルが高いのが実情ですが、他方、労働者からの残業代請求は、残業の実態+残業代が払われていなければ、容易に請求できます。しかも、会社としては有効に残業代を払っていたつもりでも、法律上は無効として取扱われるケース(固定残業代等)もあります。

会社から請求をすることにより、労働者のカウンターを誘発する可能性があるため、労働者から何らかの請求を受ける可能性がないか、という点には注意が必要です。

②回収不能リスク

これはリスクというよりは、コスト面の問題です。

請求に根拠はあるものの、労働者の経済的事情も踏まえると、回収が困難ということも多くあります。弁護士に依頼し、かなりの費用をかけて判決を貰ったけど、財産がない(あるいは財産を特定できない)ために回収できない、というケースも珍しくありません。

会社としては、この回収可能性も踏まえ、どのような解決を目指していくか(弁護士に依頼をするか、全額・一括回収に拘るか等)を検討する必要があります。

③不当訴訟とされるリスク

件数はあまり多くありませんが、法律上、およそ認められないであろう請求を訴訟で求めた場合、不当訴訟と評価され、かえって損害賠償請求を受ける可能性があるので、やや注意が必要です。

このように、会社→労働者への損害賠償請求は、検討すべき事項が多く、意外と難しい問題です。請求を検討されている企業様は、請求前に、一度弁護士に相談してみることをお勧めします。

お問い合わせ

よつば総合法律事務所千葉事務所 弁護士 村岡つばさ
TEL:043-306-1110(エフピオの法律コラムを見た、とお伝えください)
〒260-0015 千葉県千葉市中央区富士見1丁目14番地13号
千葉大栄ビル7階(※柏にも事務所がございます。)

村岡 つばさ
よつば総合法律事務所
弁護士
【略歴】
埼玉県戸田市にて出生
私立鎌倉学園中学校/ 高等学校卒業
早稲田大学法学部卒業 慶應義塾大学法科大学院卒業
司法試験合格後よつば総合法律事務所へ入所。
企業法務を積極的に取り組み、特に労務分野に明るく、
千葉県社労士会で講演活動を行うなど精力的に活躍中。

お問い合わせは、下記よりお願いいたします。

弊社の記事の無断転載を禁じます。なお、記事内容は掲載日施行の法律・情報に基づいております。本ウェブサイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。社会保険労務士法人エフピオ/株式会社エフピオは本ウェブサイトの利用ならびに閲覧によって生じたいかなる損害にも責任を負いかねます。

タグ:
損害賠償 , 残業代請求 ,