【東京商工リサーチ掲載記事】働き方改革施行から半年!みなさまの事業所の働き方改革はすすんでいますか?
働き方改革法案が施行されて、半年が経過しました。新聞でも、テレビでも、盛んに「働き方改革」の文字が躍っています。「働き方改革」という言葉を目にしない日はない、と言ってもいいほどのある種のブーム(?)が続いています。では、実感として、身近なところでご自身の働き方改革は進んでいますか?
今回は、視点を変えて、地に足をつけた、浅山事務所での働き方改革の一部をご紹介します。
浅山事務所の働き方改革その0:サーバ内の情報の整理整頓
◇紙の情報はサーバに保存
◇フォルダの階層構造、ファイル名を統一
浅山事務所は社会保険労務士事務所であるという性質上、役所相手の「紙」の書類が多く存在していました。現在はサーバ保存されていても、過去の書類が「紙」ファイルとして保存されていて、紙とデータが混在するという状況でした。お取引先様からの問い合わせに対して、確認するための資料が紙の場合があったり、サーバ保存されていたりしたため、確認に時間がかかることもありました。また、サーバ内に保存されていても、フォルダ構造や、ファイル名の付け方がバラバラで、担当者以外はすぐに探し出すことができなかったという現状がありました。そこで、これらを時間をかけて、毎日一定時間をかけて、紙はデータ化し、データはルールに則って保存する、という一大イベントを敢行し、整理整頓しました。
これにより、『誰でも同じフォルダに資料を保存し、誰でも同じファイル名の付け方をする』という、当たり前のルールを徹底することができるようになりました。
浅山事務所の働き方改革その1:脱俗人化 担当制にしていない
以前は、職員全員の個人ごとにメールアドレスが付与されていました。そのため、職員それぞれの各クライアントのPCにメールが来るというシステムでした。このため、特定の人の仕事が滞留し、特定の人が仕事を抱え込んでいる状況が発生してしまいました。周囲は助けようにも、進捗状況も過去の経緯もすべてが不明なため、助けることができませんでした。これでは、業務が非効率化してしまいますし、なによりお客様に迷惑がかかってしまう、ということで、メールシステムを変更しました。
職員はそれぞれのメールアドレスを持つのではなく、メールアドレスを共有することにし、メールシステムも、ウェブで閲覧、進捗状況が確認できるシステムに変更しました。
①共有メールアドレスに来るメールを全員が閲覧可能になり、②受信したメールの進捗状況が共有化できるようになりました。具体的には、
・未処理
・処理中
・返信待ち
・送信待ち
・所内回覧中
というステータスを共有できるため、このメールの案件は誰が担当していて、どんな進捗になっているのか、を把握できるようになったため、周囲の助けも出しやすく、助けも求めやすくなりました。ただ、注意点も必要で、共有化するための努力は欠かさず行っています。毎朝、毎夕、処理の残っているメールを確認して対応する時間を設けることでメールの滞留を無くしています。(上記「未処理」のステータスを無くす習慣を徹底しています。)
浅山事務所の働き方改革その2:ロボットの導入
これは以前の記事でもご紹介しましたが、最近新聞でもよく見かけるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を浅山事務所でも導入してみました。
ロボットの導入の目的は、「人」が行うルーティン業務を無くすことで、ミスを減らすことができます。「人」の仕事を奪うのではなく、「人」は、少しでも付加価値の高い業務に従事(確認や分析業務に時間を振り分けたり、他の業務に従事できる)することができ、社内において、昇給しやすい環境を作り出すことにあります。職員の定着のためにも昇給しやすい環境を作り出すことには、大きな意味があります。
浅山事務所の働き方改革その3:労働時間の管理
労働時間の管理として、クラウド型の勤怠管理システムを導入しました。このシステム導入により、時間の管理ができるようになったのはもちろんのこと、
・残業時間の管理(上限時間管理)
・残業申請・休日出勤申請
・アラートメール(月●●時間の残業を超えたら、アラートメールを配信する)
・事業場外労働(営業)にも対応…スマフォからGPS打刻
・有給休暇の管理
などなど、システムに付属するサービスをそのまま利用できるので、時間管理のための残業(法律を守るために残業して時間管理する)がなく、法律改正を自然と守ることができるようになりました。
いかがでしょうか。身近なところから、働き方改革を進めてみよう、ということで浅山事務所での取り組みの一部をご紹介しました。今後も、進捗報告を兼ねて、新しいことのチャレンジもご報告させていただきます。
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